今日のマケリスブログは リスキリングとは何か。について解説していこうと思います。
昨今企業の人材育成や個人のキャリアップの方法としてリスキリングが注目されています。では一体リスキリングとは何なのか?についてマケリスの考え方を解説していきます。
リスキリングとは
マケリスでのリスキリングの定義ですが、リスキリングとは
「新しいことを学び新しいスキルを身につけ実践しそして新しい業務や職業に就くこと」
と定義します。
海外ではデジタル化が進む中で技術的失業を未然に防ぎ労働移動を実現するための解決策としてリスキリングが着目されてきた経緯があります。そのため成長産業、特にデジタル分野の職業に就くためのスキル獲得とほぼ同義で リスキリングをとらえている場合もあります。そのためディーエックス時代の人材戦略としてリスキリングが注目されています。
リスキリングの言葉の定義の違いについて
リスキリングを様々な視点と比較しながら解説をしていきます。特に似たような言葉が使われていますので、その違いに着目しながら言葉の整理をしていきます。
リスキリングとスキルアップの違い
リスキリングとは、従来の職種や業務に対して異なる業務を行うために必要な新しいスキルや知識を身につけることであり、主に現在の業務に必要なスキルを補完することを目的とします。例えば、コンピューターシステムのアップデートに伴い、従来の操作方法が使えなくなった場合、その新しい操作方法を学ぶことが必要です。また、新しい技術や業務に対応するためには、既存のスキルに加えて新しいスキルを学ぶ必要がある場合もあります。
一方、スキルアップとは、既存のスキルをより高度なレベルに引き上げることを意味します。つまり、すでに持っているスキルを向上させ、より専門的なスキルを身につけることで、より高いレベルの仕事を行えるようになることを目的としています。例えば、プログラミングにおいて、より高度な言語やフレームワークを学ぶことで、より複雑なプログラムを開発することができるようになります。
リスキリングとアウトスキリングの違い
アウトスキリングは 収益悪化が原因で人員整理を行なわなくてはいけなくなった会社が その対象となった従業員に対して 退職前にリスキリングの機会を提供し 成長産業での転職が可能になるように行う支援策を指します。
特に新型コロナウイルス感染症による影響で収益が悪化したアメリカやイギリスの企業で注目された手法です。またアマゾンのように、配達プロセスの自動化を進めている企業では 現在は人間が行っている業務をいずれAIやロボティクス、ドローンといったテクノロジーが代替することが視野に入っているので早い段階からこのアウトスクリングのプログラムを運用しています。
リカレント教育との違い
リカレント教育はスウェーデンの経済学者コスタレーンが提唱したとされる概念で教育と就労のサイクルを繰り返す生涯教育手法の一つです。新しいことを学ぶために職を離れることが前提になっており学ぶ→ 働く → 学ぶ → 働くのサイクルを続ける新しい学びを指しています。
以下がリスキリングとリカレント教育の違いです
背景の違い
リカレント教育は 人生百年時代の生涯学習の一環として 「ライフシフト」 が世界的にベストセラーとなり急速に注目を集めました。 一方でリスキリングは 技術的失業、テクノロジーが人間の労働を代替する社会問題の解決策として注目されています。
目的の違い
リカレント教育においては学び直しそのものが目的かつ職業と関係ない学びも含むのに対し リスキリングは新しい職業に就くことを目的としているため 職業に直結するスキル習得を指しています。
実施責任の違い
リカレント教育は個人の関心が原点であり 個人が好きなことを学ぶ機会を探し 取り組むことが基本のため 実施責任は個人にあります。
一方でリスキリングは 技術的失業を背景として 企業の生き残りをかけた変革ニーズに基づくものなので 企業が従業員へリスキリング機会を提供し、実施責任は企業にあります。
以上がリスキリングの言葉の定義を他の似たような言葉と比較しました。
次回のマケリスではなぜリスキリングをしなければいけないのか。について説明していきます。
【出典紹介】
自分のスキルをアップデートし続ける リスキリング 単行本 – 2022/9/30
【内容紹介】
本書は、現在注目されている「リスキリング」がわかる&実践できる本。これからリスキリングを実践しようとしている人だけでなく、リスキリングという言葉の意味やこれからのビジネストレンドを知りたい人、ならびにリスキリングを自社に導入したいと考えている企業担当者にも役立つ一冊です。