今回のマケリスはリスキリングする方法について解説していこうと思います。
ただしリスキリングの方法については「リスキリングを実践する10のステップ」にて詳しく説明していきたいと考えておりますので、
今回は導入部分となる基本的な考え方について解説していきます。
リスキリングは政策として また企業と組織の事業構造改革に伴うニーズに基づくため 組織がリスキリングの機会を従業員へ提供するのが理想です。
しかし日本では政府や企業が個人に キャリア自立 すなわち自らのキャリアについて主体的に考え責任を持ちキャリア形成に取り組むよう奨励する動きが盛んである一方、
時代の変化に応じて国や企業が個人にどう学んでもらうかという視点やそのための施策が極めて弱い状況にあります。
このままでは企業が従業員に身につけて欲しいスキルと従業員個人が自立的に描くキャリアに必要なスキルにギャップが生じる可能性があります。
キャリア自律
働く個人が自らのキャリアについて主体的に考え自らのキャリアに責任を持ち自らキャリア形成に取り組んでいる状態のことを意味します
（ 出典： リクルートマネジメントソリューションズ）
しかしながら 会社が提示するリスキリングの方向性と自分の希望が合わない場合は、従業員自ら 自身のスキルに取り組む必要が出てくるのです。
そのためリスキリングという習慣を身につける必要があります。
そのためリスキリングするための最重要スキルは、自分自身をリスキリングするスキル そのものです。
リスキリングに 必要なスキルは大きく分けてハードスキルとソフトスキルがあります。
ハードスキル
aiやブロックチェーンなどのコーディング英語などの外国語、弁護士・会計士などの資格、大学や大学院などで学んだ専門性と評価基準が明確で定量的なスキル。
ソフトスキル
コミュニケーション能力、 リーダーシップ、 課題解決能力等、 人間の内面的な性質に基づき明確な評価基準が見えにくい定性的なスキル
自分自身をリスキリングするというスキルは、ソフトスキルにあたり 外部環境の変化に合わせて
どのような新しいハードスキルを身に着けていくかをコントロールする大前提のスキルとなります。
では自らをリスキリングするというソフトスキル、習慣や行動を身につけるにはどうしたらよいのでしょうか。
リスキリングに至るプロセスを４つのステップで説明して行きます。
アンラーニング（学習棄却）
以前習得した情報知識成功体験等で陳腐化しているものをリセットし、新たに受け入れる体制を意識的に作り出すこと。
これを急に実践することはとても難しいです その要因となっているのは以下の３つと考えます。
執着（ 現状を変えたくない、楽をしたい気持ち等）
過剰なプライド（ 営業成績トップだった自分の意見が正しい等）
ノスタルジー（ 昔は〇〇部の部長で部下50人いた等）
このような感情を自覚し、距離を置くことができるようになるとアンラーニングが順調に進みます。
アダプタビリティ（適応力）
自分自身の「 認知 → 理解 → 行動」 のプロセスを客観的に評価し 適応指数 をブーストさせる。
新型コロナウイルス感染症の蔓延により 全世界が強制的に新しい働き方生活様式を受け入れることを余儀なくされました。
同じ環境変化の中で オールドノーマルに執着する人、 ニューノーマルを受け入れる人、 ネクストノーマルに向けて飛躍する人、
これらの違いは アダプタビリティ能力の差によるものです。
つまり 新たな外部環境から吸収できるように自分自身を変えていくことが必要です。
プランニング（ 未来予測）
将来起こりうる「 非連続・ 想定外」 な未来のシナリオを複数描き、それに基づいて戦略を導き出す。
次に外部環境の変化等を未来予測することで自らの人生を計画するプランニングのスキルが求められます。
未来予測のスキルを高めることで、 より具体的に自分のリスキリングの方向性を定めることができるようになります。
リスキリング（ スキル再習得）
DX時代に求められるデジタルリテラシー向上および現在未来に必要となる新たなスキルを獲得する
１．アンラーニング、 ２．アダプタビリティ、 ３．プランニング、 の手法を理解することでより効果的なリスキリングを行うことが可能になります。
以上がリスキリングする方法における導入部分となる基本的な考え方について解説となります。
次回のマケリスからは、実際にリスキリングを実践する10のステップを具体的に解説していきます。
【出典紹介】
自分のスキルをアップデートし続ける リスキリング 単行本 – 2022/9/30
【内容紹介】
本書は、現在注目されている「リスキリング」がわかる＆実践できる本。これからリスキリングを実践しようとしている人だけでなく、リスキリングという言葉の意味やこれからのビジネストレンドを知りたい人、ならびにリスキリングを自社に導入したいと考えている企業担当者にも役立つ一冊です。