今回のマケリスは業務効率化の中で、こなすべきタスク順序について説明していきます。
リスキリングをするために時間を作ろうと思っても、普段の仕事が遅ければリスキリングをする時間を生み出すことは出来ません。
そこで仕事で早く終わらせるためのタスク順序と行動について科学的に解説していきます。
皆さん、大事な仕事をしなきゃいけないにもかかわらず、何となくようなメールの返信に集中してしまったり、やるべきことと関係のない簡単なタスクに手をつけてしまうことは無いでしょうか?
これは誰にでも起こりうる現象で、心理学の世界では達成バイアスと呼ばれています。
達成バイアスとは
達成バイアスとは、長期的に重要なタスクよりも短期的に重要度が低いタスクに意識を集中させてしまうという現象のことです。
この達成バイアスは集中力に大きな影響を与えており、アメリカの病院から約4万人およぶ治療データを集めた研究では1日の患者数が増えるごとに、医師の達成バイアスが激増してバイアスにとりつかれた医師は、症状が軽い患者を優先して重病の患者を後回しにするようになったという研究結果が出ています。
身に覚えのある人も多いと思うんですが、仕事とか勉強やらなきゃいけないのに部屋の掃除を始めてしまったり、漫画を読んだり手近なタスクに集中してしまった。という話はよくある話で、我々の中には忙しくなるほど大事な仕事から目を背けたくなる心理システムが備わっています。そのため昔から多くの本では難しい作業が先にやるべしというアドバイスがされてきましたが、果たしてこの教えは正しいのか。について科学的に解説をしていきます。
難しい作業が先にやるべし。は正しいのか?
実際難しいことからやるべし。と言うのは感覚的には説得力ありますが、ここ数年の研究では達成バイアスを正しく使う方が、より集中が高まるという研究は増えています。
つまり難しい作業が手をつけるのではなく、簡単なタスクを先にした方が、最終的な成果が上がりやすくなります。
ハーバードビジネススクールの研究ですが、
研究チームは様々な業種が500人のビジネスパーソン集めて三つのグループにわけました。
1.朝に1日のタスクを全て書き出して、重要で大変だった作業から最初にこなすグループ
2.朝に1日のタスクを全て書き出してリストの順番通りにこなしていって1つの作業を終えるごとにチェックを付けるグループ。
3.朝1日のタスクを全て書き出して簡単なタスクをリストの先頭にまとめ、その順番通りに作業を進めるグループ。
それを全ての被験者の仕事ぶりを記録したところ、タスクの達成量が最も高かったのは、3番目の達成バイアスを使ったグループでした。
1日の最初に簡単なタスクをこなした被験者はみんな集中力が上がり、最後には仕事への満足度も改善しました。
では、なぜ達成バイアスで集中力が上がるのか?というと、それは脳内ホルモンの分泌に原因があります。
なぜ達成バイアスで集中力が上がるのか?
簡単なタスクをこなすと、その時点で人間は大きな達成感を覚えて、脳内にドーバミンという神経伝達物質が大量に放置されます。
そしてドーパミンには注意力や集中力を引き出す働きあるのでタスクを終えた直後から集中力を一気に増加します。その影響が次のタスクにも影響を与えて、最終的な成果も上がりやすくなります。
達成バイアスを利用するため、簡単なタスクを一日の最初に行いましょう
そのため、1日の初めに行うタスクは何でも構いませんが、5分前後で片付くようなものを選んでください。これによって1日のタスク達成度を最大化できるのではないかと思います。
実際に筆者は、予め一日の仕事を始める前に何のタスクから始めるのかについては決めてからタスクに取り掛かっていますが、そのタスクの取り掛かる順序についてもとあるメソッドが理論的に構築されていますので今後のマケリスブログで紹介したいと思います。
以上、マケリス第36回の内容は、タスク順序ついて解説をしてきました。
明日から使えるメソッドになると思いますので、ぜひ簡単なタスクを一日の最初に行ってください。
今後もこのような業務効率化に効果のある方法を紹介させて頂きますので、ぜひ毎日の投稿を楽しみに待っていてください。