前回のマケリスでは、なぜBtoBデジタルマーケティングが必要なのか?について解説していきました。
今回はBtoBデジタルマーケティングの全体像について解説していきます。
BtoB企業の一般的なマーケティングプロセス
BtoB企業の一般的なマーケティングプロセスを図に示したのが下記です。
左から右に購買プロセスは進んでいき、ゴールである売上に繋がっていきます。
〆 認知
〆 リード創出&獲得
〆 育成&見極め
〆 営業プロセス
〆 成約(売上)
〆 顧客の維持・拡大
〆 売上
そして、それぞれ宣伝広報部門、マーケティング部門、営業部門、CS部門と役割が決められた領域の中で目標を立てて、目標達成に向けて取り組んでいきます。
これを大きなプロセスに分けると下記の3つにわけることができます。
リード獲得プロセス (宣伝・広報活動)
リードと呼ばれるお客様の名刺情報を収集することで、メールマーケティング等に活用します。ここで重要なことはリードの質、つまりターゲット対象としてふさわしいか、自分たちの商売相手かどうか?ということです。
どんな業種・職種・職位の名刺情報が欲しいのか?が具体的であるほどこの後の工程で営業が売りやすいお客様になります。
リード育成(醸成)プロセス (マーケティング活動)
1で獲得したリードを売上に繋げるためのプロセスです。お客様は必ずしも、最初から商品を欲しいと思っているわけではありません。興味を持っただけなのか、競合と比較をしている段階なのか、など状況はお客様によって様々です。
獲得したリードを基にお客様と関係を醸成するようなコミュニケーションを図り、確度・見込度合を見極めたうえで、提案に行けるレベルまでお客様の気持ちを高めることがこのプロセスにおいて必要になってきます。
営業プロセス (提案・受注活動)
最後に受注・提案の活動です。これまでの育成プロセスを経て、お客様は提案を受ける準備が出来ています。ここで商品・サービスを提案し、他社との違いや価格・納期などを詰めていくステップとなります。
この3ステップを実施していくためには、それぞれの前工程・後工程を理解した上でそれぞれの部門が施策に取り組み、すり合わせを行っていくことでシームレスな提案活動に繋がり、受注につながりやすい活動となっていきます。
リードマネジメント定義例
リードと一言で言っても様々なリードの種類があります。
下記はある組織で定義づけたリードの定義とそれをどのように部門別に分別しているかを示しています。 このプロセスはサンプルです。個別に定義してください。
名称 | 定義 |
ハウスリスト | すべてのリードリスト |
獲得リスト | 新規で獲得したリードリスト |
保有リスト | これまで所持していたリードリスト |
ターゲット | 狙っているターゲットのリードリスト |
対象リスト | ターゲットのリードリストを市場別・優先度別に仕分けたもの |
見込み・絞り込みリスト | ターゲットのリードリストを見込み度別に分け絞り込んだもの |
マーケ受入(担当)リスト | マーケティング部門がフォローする担当者別のリスト |
マーケ選定リスト | マーケ受入リストを市場別・優先度別・見込み度別に選定したもの |
シナリオ完了リード | リード育成(醸成)プロセスにおいてお客様の見込み度を上げる施策(メールマーケティング等)を実施完了したリード |
営業引渡しリード | リード育成(醸成)プロセスを経て提案活動に行ける段階のリード |
コール完了リード | お客様へ電話をして現状のニーズや提案見込みを確認したリード ※ここに存在するリードは、今すぐ客、そのうち客、まだまだ客に分類されます。 |
営業受入リード | 営業がマーケティング部門から受入れた提案活動可能なリード |
案件・商談リード | 案件化、商談に繋がったリード |
また海外では別の言葉で定義されることもあるので注意が必要です。
マーケティング部門の貢献度合い
次にマーケティング部門視点でオンライン・オフラインを統合した場合のビジネスにおける貢献度合いを見ていこうと思います。
図はBtoB企業の一般的なマーケティングプロセスにおけるリード獲得~受注までのマーケティングファネルをマーケティング組織視点と営業組織・販売店視点で分けたものです。
ここで大事なことは、デジタルマーケティングで獲得したリードは全体における1部でしかないことです。
例えば直接営業組織や販売店に問い合わせが入る場合もあるため、マーケティング部門視点では直接営業組織や販売店に問い合わせが直接入った場合、貢献度には含みません。
このように実際のマーケティング部門の売上貢献率は全受注においてマーケティング組織起因で発生したリードのみ。ということになります。
ただし、それでも丁寧にナーチャリングしたお客様は大型の受注につながることも多いため、その貢献度は大きくなる可能性は大いにあると思われます。
以上がBtoBデジタルマーケティングの全体像についての解説でした。
次回は、デジタルマーケティングで起こっている課題を網羅してご説明していきたいと思います。