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リスキリング

#21 日本におけるリスキリングの課題

Kammy

大手事業会社のマーケティングコミュニケーション担当 副業でベンチャーのマーケティング支援もしています。

日本におけるリスキリングの課題

今回のマケリスは日本におけるリスキリングの課題について解説していこうと思います。

多くの企業がDXを敢行しながら、道半ば。ということが言えるかと思います。これには日本におけるリスキリングの課題が原因であるということが少なからずいえるかと考えています。

具体的に日本におけるリスキリングの課題がどういったものかを説明していきます。

デジタル後進国日本

仕事の進め方から 製品 サービスまで 世界のデジタル化が進んでいます。 IMDという スイスのビジネススクールが 毎年発表している世界デジタル競争力ランキングにおいて日本は毎年ランクを落とし続け、なんと2021年度は全世界で28位、アジア太平洋地域では14カ国地域中9位人材知識レベルに至っては、全世界で47位、完全にデジタル後進国という位置づけになっています。

いまだに ハンコや紙を使っている役所会社がまだまだ多くあるため 世界で進んでいる技術的失業の影響を感じづらいと言えます。

PwGが 2021年に実施したデジタル環境変化に関する意識調査において職場に導入される新たなテクノロジーの活用に順応できる自信がどの程度ありますか?という質問に対して とても自信があると答えた割合は日本はなんと5%しかありませんでした。トップはインドの68%です。

そのため 企業のトップが声高らかDXを断行すると宣言しても 働く従業員が自動化に不安を感じスキルに自信がなく他人事という意識なのであれば当然日本企業のデジタル化が進みません。 それゆえ企業は自社の従業員に対してリスキリングを行う機会を提供する必要があるのです。

学ぶ習慣のない日本人

2022.8.31 令和3年社会生活基本調査結果が発表され、最新情報では、社会人の平均勉強時間は「7分」となっています。

数値:令和3年社会生活基本調査結果 統計表より引用

年齢別のグラフをまとめると25歳以上はほとんど勉強していないことがわかります。

年齢別1日当たりの平均学習時間

年齢別勉強時間

特に30歳以上は全て10分以下です。学生時代に身につけた勉強習慣が社会人になって崩れていることが見て取れます。

次に行動者の平均時間を年齢別に算出しています。

年齢別1日当たりの平均学習時間(行動者平均時間と総平均時間の比較)

年齢別行動者平均時間

社会人になったであろう25歳以上となっても1日2時間以上は勉強していることがわかります。

そして最後に行動率のグラフを年齢別に作成しました。

年齢別行動者率

年齢別行動率

25歳以上はすべて10%を切る形になっており、社会人の9割以上は勉強していない。と言えるでしょう。

つまり結論としてそもそも勉強を行っている人の割合が著しく低いため、日本人は学ぶ習慣がないと言える。そしてそのために世界的に見てもデジタルをはじめとするリスキリングが必要と言えるかと思います。

リスキリングの間違った解釈

以上、今回は企業にとってリスキリングはなぜ必要なのか、どのようなメリットがあるのか、企業がリスキリングに取り組む目的について解説をしてきました。

次回のマケリスでは日本におけるリスキリングの課題について説明していきます。

新しい職業に就くことが目的学ぶこと自体が目的ではない

リスキリング 新しいことを学び新しいスキルを身につけることだけでなく新しい業務や職業に就くことまでを含みます そのためあくまでも学び直しはリスティングの一部でしかなく学ぶことだけに着眼点を置いたリスキリングが失敗するといえます。

リスキリングの実施責任者は企業

外部環境の変化に合わせて企業変革して行くために従業員を新たに必要となる 食に配置転換しているのがリスティングであるため 実施責任は個人ではなく企業や組織になります。 働く個人が自主的にキャリアアップ目的でリスキリングを行うことが第一義ではないのです。

リスキリングは就業時間内に行う業務

リスキリングは会社の新しい方向性に合わせて必要となる能力開発となるため 仕事の一環すなわち就業時間内に行う業務となります。 日本は就業時間内に学ぶ事を良しとしない文化があるため 結果的に従業員が帰宅後や週末にリスキリングを取り組まざるを得ないと耳にしますが、 従業員に過剰な負担を強いることになり長続きせず成果に結びつきません。

個人の自主性に任せたリスキリングは失敗する

無理矢理やらせるのは良くない自分の好きなことをやるべき という論調をよく見かけます 聞こえは良いですがそもそもリスキリングを誤解しているが故に出てきている意見です。

リスキリングは会社の変革ニーズに基づいて業務として取り組むことを指します。

個人が好きなことを学んでキャリアチェンジしたりすることとリスキリングは本質的に異なるのです。

そのため、 リスキリングに取り組んでいる企業でも失敗事例がで始めています。

それはオンライン講座を会社で契約しました。 好きなことを学んでください。 というものです。 従業員の実践に任せたこのやり方には 三つの問題点があります

人材の社外流出を促進する

日常業務に追われほとんどの人はオンライン講座を使用せず放置する

新しい業務や配置転換がない場合学んだことを忘れる

新しいことを学んでも新しいスキルを身につける実践する機会がなければ無意味なのです。

以上が日本におけるリスキリングの課題となります。

では次回は実際にリスキリングする方法について解説して行きます。

リスキリング出典

【出典紹介】

自分のスキルをアップデートし続ける リスキリング 単行本 – 2022/9/30

【内容紹介】
本書は、現在注目されている「リスキリング」がわかる&実践できる本。これからリスキリングを実践しようとしている人だけでなく、リスキリングという言葉の意味やこれからのビジネストレンドを知りたい人、ならびにリスキリングを自社に導入したいと考えている企業担当者にも役立つ一冊です。

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